序  論

 

 同一価値労働同一賃金リソースパッケージは公共サービス労働組合、特に途上国の労働組合が同一価値労働同一賃金のイニシアチブと戦略を展開し、同分野における組合の能力養成の援助を目的に製作されました。パッケージには同一価値労働同一賃金が完全に理解され達成されるよう、また組合における女性の動員と組織に用いられるよう、実用的なツールや情報、例、活動が含まれています。これは、先進・途上両国の公共サービスにおける同一価値労働同一賃金に関してPSIが行った調査1の結果、男女の賃金差別に対する意識と理解の欠如、そして賃金不平等の問題解決にあたっての専門家の不足が、同一価値労働同一賃金達成の主な障害となっていることが判明したことを踏まえると、特に重要になってきます。

 リソースパッケージの目的は以下の通りです。

・実際に同一価値労働同一賃金を達成する。
・同一価値労働同一賃金に対する意識を向上させる。
・同一価値労働同一賃金を組合活動の主流として組み込む。
・実用的な指導や情報を提供する。
・同一価値労働同一賃金について組合の能力とノウハウを養成する。


 リソースパッケージは以下の事柄の支援に利用できます。

・同一価値労働同一賃金に関する組合の指針と戦略の開発
・組合女性を対象とした能力養成と研修
・同一価値労働同一賃金について組合、政府、諸機関の意識向上
・同一価値労働同一賃金キャンペーンと同一価値労働同一賃金同盟の構築


 労働組合や経済社会開発の全国プログラム、貧困根絶のためのプログラムの中で、また公共サービスの質に貢献する中で同一価値労働同一賃金に焦点を当て、その重要性を取り上げるために、より創造的で多角的な解決策と行動を見つけることが中心的な目的となっています。これは労働組合にとって大きなチャンレンジとなります。

 世界的に見ると、同一価値労働同一賃金の分野では、良き実践やイニシアチブの成功例がたくさん見られます。これらは同一価値労働同一賃金の問題に取り組みはじめている国々や、同一価値労働同一賃金戦略の見直しの対象となる人々にとって、有用なモデルになります。これは労働の性質の変化や、労働市場における女性参加の増加、そしてグローバル化がもたらす挑戦という点に特に関係してきます。これらについては更に複雑で重層化した対応や、組合での新たな戦略が必要になります。このリソースパッケージは、賃金不平等に対する取り組みに対して、新たな活動と更に主体的なアプローチを促すことを意図しています。

 リソースパッケージは6章に分かれており、入門的、解説的な問題から更に複雑な行動や動員の手段へと発展していきます。リソースパッケージは、組合が必要に応じて章が選べ、柔軟に利用できるようになっています。また同一価値労働同一賃金の分野での組合活動に伴って、ビデオも制作されました。これは意識の向上や議論の促進、能力養成と研修活動の支援に利用することができます。


1 公共サービスにおける同一価値労働同一賃金:ジェーン・ピリンジャー博士、「同一価値労働同一賃金に関するPSI/ILOパートナーシップ最終調査報告」PSI、2002年2月